[川崎区]
2024年12月17日
1Kアパートでの特殊清掃・原状回復・残置物撤去の事例
1Kアパートでの特殊清掃・原状回復・残置物撤去のご依頼です。
物件は、築17年、地上二階建て、総戸数8戸である軽量鉄骨造アパート一階の1K一室になります。
入居者の孤独死に伴う案件のため、室内にはすでに異臭が発生しており、今回は原状回復・残置物撤去と共に、それに伴う特殊清掃を実施することになりました。
今回は車両一台と、作業者三名で対応していきます。
《作業前の状況》
比較的新しい物件ですので、外観はきれいで、グレーのおしゃれな建物です。
ドアを開けると、ここからでも異臭が発生しているのがわかります。他の入居者や近隣住民への影響を考えても、早めの対処が望まれるところです。
男性の一人暮らしということもあり、玄関を入ってすぐの廊下から残置物とも言えないごみが大量に散乱しています。
キッチンの上も同様で、まとめられたペットボトルで埋め尽くされている状態。
ガスコンロの上にまで新聞紙や雑紙などの可燃物が放置されていることから、長い間料理は行われていなかったようです。
洗濯機スペースにもペットボトルが積み上がり、こちらも長い間洗濯が行われていなかったということでしょうか。
トイレの中にまで衣類が放置され、あまり清潔とは言えない状態でした。
廊下を抜けて居室に入ると、廊下以上にごみと残置物で足の踏み場もありません。
室内にこもった異臭はエアコン内部にまで入り込んでいるため、エアコンそのものの交換も行われます。
また、窓にも破損が見られるため、窓ガラス全体の交換も実施されることになりました。
衛生面はもとより、建物への影響を考えても、少しでも早く残置物を除去して室内に清浄さを取り戻す必要があります。
《作業開始》
散乱した残置物とごみを片っ端からまとめていきます。
異臭対策としてマスクが欠かせない他、大量のごみと残置物の中には刃物など、接触すると負傷しかねない危険物が紛れ込んでいるかもしれませんので、厚手のゴム手袋は必須となります。また、今回は遺族の方々より入居者の母親の位牌があるはずなので、そちらの回収も行ってほしいとの要望があるため、無造作に放置されていた場合うっかり踏みつぶすことがないよう、注意しながら手早く作業を進めなければなりません。
窓の外は狭い私道が通っており、近隣の家屋と直接接しているわけではありませんが、生活道路として頻繁に人の往来があります。作業効率化のため、こちらに台車を持ち込んでごみを窓から搬出していきますが、換気のため解放した窓やごみ袋自体からも異臭を感じとられてしまうかもしれません。通行人にも配慮し、効率的に作業を進めていきます。
残置物とごみの多くを搬出し、床があらわになると、フローリングに簡単には落ちない汚れが付着していました。
こちらは後日別の作業となりますので、その前段階までの処置を行います。
《作業終了後》
大量にあった残置物やごみを撤去し、見通しもすっかりよくなりました。
このあと、強力な塩素系薬剤による消臭作業が行われ、エアコンや窓ガラスの交換、汚れを落とせなかったフローリング床貼替などの木工事を始め、壁・天井クロスやクッションフロアの貼替作業など、通常のハウスクリーニングによる原状回復が行われます。
今回の特殊清掃は、概算で以下のような料金です
・遺品整理費用(処分・作業・運搬費込)
・撤去工事
・木工事
・内装工事
・雑工事
小計 897,820円 + 消費税10% = 合計 987,602円
遺品整理に伴う処分・作業・運搬費が全体の半分近くを占め、また、エアコンや破損した窓ガラスの交換工事も必要になったことにより、金額が大きめになりました。
アパート賃貸では入居者の孤独死は常に発生しうるリスクですが、生前から管理者やご家族と入居者の間で頻繁に連絡を取り合うなど、協力して異常を見過ごさないようにしていくことをお勧めいたします。