横浜の遺品整理ブログ

[特殊清掃]

2025年03月11日

1Rマンションでの特殊清掃・内装工事の事例

1Rマンションでの特殊清掃・内装工事のご依頼です。
物件は、築32年の鉄骨造地上四階建てマンションの二階、ワンルーム一室になります。
入居者の孤独死に伴う特殊清掃・汚損の広がっている床面などの解体作業をご依頼いただいております。
現場は2階ですが、汚損の影響が1階の天井にまで広がっているため、そちらの作業も実施する必要があります。


《作業前の状況》



前_廊下
玄関口から洗濯機置き場を兼ねた廊下を通ってリビングに向かいます。
残置物の撤去は既に完了しており、床や壁紙を直接視認できます。
ここまではほとんど汚損は見られませんが、やはり異臭は漂っているため、壁紙やクッションフロアが少なからずそれを吸収してしまっていると考えられます。
そのため、室内全体のクロスやクッションフロアの張替えが求められます。

前_室内
ご遺体から発生した汚損の影響が床に広がっています。
一見すると汚れは目立ちませんが、床の一部がえぐれ、そこに汚損が溜まっています。
実はここから汚損が階下の部屋の天井にまで広がってしまっているため、今回の作業はこの部屋だけではなく、他の居住者が住む1階の部屋の天井についても実施することになりました。

前_室内_クローゼット
汚損が特にひどかったのは、ご遺体が倒れていたクローゼット周辺です。
物件は鉄筋造なので、床下はコンクリートで固められていますが、ご遺体から発生した体液は床下に浸透し、そのコンクリート自体にも染み込んで臭いの原因になっています。
こうなると床材やクッションフロアを交換しただけでは異臭を断つことは難しいため、床のクッションフロアを撤去したのち、サンダーでコンクリートを直接切削することで異臭の原因を排除します。



《作業開始》



中_室内_除菌
それでは実際の作業に入ります。
今回の事故現場は1Rマンションの物件ですので面積自体はそれほど大きくはありませんが、特殊清掃の現場は室内全体に異臭が広がっていたため、屋内の壁面や天井などのクロス全体を好感しなくてはならないため、限られた時間で作業を完了させるために、連携して効率的な作業が行われるよう心がけていきます。

また、汚損した部位への接触によって感染症が引き起こされる危険があるため、作業開始前にも専用の薬剤を噴霧して除菌を行うほか、作業員は強力な防塵マスクや、厚手のゴム手袋を着用の上、細心の注意を払って作業を進めていきます。


まずは壁面クロスの切れ目を見つけ、そこからスクレイバーと呼ばれる壁紙を剥離させるための金属製のへらを差し込み、一気に剥がしていきます。
スクレイパーは、主に塗装作業の事前に、古い塗料やサビなどを剥がすケレン作業や、しつこい汚れ、ステッカーや壁紙などを剥がし取る掃除のために使用される道具です。

刃先の部分は対象を傷つけないためにシリコン製になっているものもありますが、壁面のような広く頑丈な対象の剥離作業を行う場合には、ステンレスやテフロン加工された金属製のものを使用します。
へらの刃先が剥がした壁面や傍に設置された他の備品に傷をつけることのないよう、細かく何度も壁紙を引きはがしていきます。
一度剥がせば、そこからさらに引きはがすことができますので、どんどん進めていきましょう。


壁紙の剥離作業が終わったら、床面のクッションフロアの剥離作業へと移行。
こちらはまずカッターで床面に線を引いて、人の肩幅程度の間隔で切れ目を作り、そこから直接両手で抱えて引っ張ることで引き剥がすことができます。

床材であるクッションフロアは壁紙よりも分厚く頑丈なので、こうした剥がし方でも全体をひとまとめにして抱えていくことができるのです。
接着が強い部分については、切れ目を細かく作ることで剥がしやすくなります。
また、剥がした後の床にクッションフロア材の裏面が残ってしまう場合がありますが、壁紙の剥離作業で使用したスクレイパーをここでも使用して効率的に剥がしていきましょう。

裏紙が浮いて張り付いている場所は、横からカッターの刃先を接着面の間に通すことによってまとめて引きはがすことができます。
全体の剥離作業が終わったら、残ったごみを掃きとっていきますが、この時ごみの中に細かいガラス繊維が紛れ込んでいる場合があり、吸い込んだり手で直接接触して肌を傷つけないためにも、防塵マスクやゴム手袋が有効です。


今度は、床面のクッションフロア下に敷かれていた床材の切断と撤去作業に入ります。
この物件は鉄筋造なので、コンクリートで作られた床面とクッションフロアの間に木製の床材が組まれており、これらを切断して撤去していくのです。

通常のハウスクリーニングではクッションフロアの張替えで十分な効果があるため、ここまでの作業は必要ありませんが、今回は汚損部から発生した体液が床下のコンクリート構造にまで染み込んでしまっていたため、異臭のもととなるほか、そこからウジ虫などが発生する危険も考慮し、すべて張り替えることになりました。

床材の切断には電動の丸ノコを使用します。
丸ノコは頑丈な回転のこぎりをモーターによって駆動させるもので、特に刃先を傾斜させることで構造上の出っ張り部分よりも外に切れ目を作ることができる際切り丸ノコや、バールを使って床材を撤去していきます。


床面に敷かれていた構造材をすべて撤去し、コンクリートがむき出しになりました。
ここにもご遺体からの体液による汚損が広がっています。
この汚れは洗浄しても落ちるとは限りませんし、床材と同様、後々問題の原因にもなりかねません、
そのため、今回はサンダーやコンクリートカンナと呼ばれるディスク式の電動カッターを用いて、汚損部分のコンクリートを削り落としていきます。

ビル建設などの大規模な施工現場では手押し式の大型カッター機械などで一気に床面全体を削っていきますが、ここでは汚損部分を中心とした作業ですので小型カッターの方が効率的。
ただし切削時、大量にコンクリートの粉塵が発生し、これを吸い込んだり目に入ったりしてしまうと大変危険なので、協力な防塵マスクやゴム手袋で肌を露出しないように準備を整えることが必要です。


一通りの作業を終え、最後に除菌消毒作業に移ります。
特殊清掃における除菌消臭作業は次亜塩素酸やオキシドールをはじめとする強力な洗剤が用いられ、これを直接吸い込んでしまうと人体にも有害なので、ここでも引き続き、高機能な防毒マスクを着用します。

室内全体に満遍なく消毒剤を散布し、この部屋での作業は完了です。

この日は他に、汚損が天井に染み出ていた階下の部屋での作業も実施しており、それらも併せて実施しました。




《作業終了後》



後_玄関
屋内の廊下からリビングに至る壁クロスを剥離しました。

後_リビング
リビングは壁クロスや床のクッションフロアをすべて剥離させ、床材もすべて撤去されたことでコンクリート面がむき出しになっています。

後_クローゼット
事故現場として最も損傷のひどかったクロゼット周辺の床下はサンダーによって全て削り落とされ、階下の天井に染み出していた部分には補修が行われました。



今回の特殊清掃は、概算で以下のような料金です



・床解体作業費
・クロス処分費
・特殊清掃費 

小計 210,000円 + 消費税10% = 合計 231,000円


特殊清掃は事故現場である部屋での実施はもちろんですが、建物の老朽化や事故の大きさによっては今回のように階下の部屋の住人にも被害が及びます。
孤独死を発生させないことが一番ですが、万一同様の事故が発生した場合は、単なる清掃だけではなく、原因となった個所の補修も行うことで、同様の被害を最小限に抑えることができます。
ぜひ、建物管理に総合的な対応ができる専門業者のご利用をご検討ください。

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