残念ながら、回収した遺品を不法投棄して利益を得ている悪徳業者は存在します。これは遺品整理業者に限ったことではなく、不用品回収業者や産廃業者などゴミを扱うさまざまな業界で行われている犯罪行為です。
一般家庭や事業所から回収してきたお金にならない遺品や不用品を、山奥や空き地に放置したり、海や川底に沈めたりしているような犯罪者はなかなか後を絶ちません。
このような犯罪行為を繰り返している遺品整理業者には、他社よりも料金が安い特徴があります。遺品や不用品を正規に処分するには経費がかかりますが、不法投棄をすればその分の費用が浮くので、極端な値引きもできるのです。
したがって、他社と比べて異常なほどに見積金額が安かったり、大幅な値引きに応じてくれたりする業者には注意してください。
不法投棄された場合で怖いのは、遺品整理を依頼した消費者も場合によっては罪に問われることになるということです。
不法投棄で逮捕されると、「廃棄物の処理および清掃に関する法律」に違反したこととして、個人だと「５年以下の懲役もしくは１０００万円以下の罰金、またはこれの併科」、法人では「３億円以下の罰金刑」などが課せられる可能性があり、実際に摘発されたケースもあります。
一般家庭から遺品などを回収して廃棄するには、一般廃棄物収集運搬業許可が必要で、事業所からゴミなどを回収するには産業廃棄物収集運搬業許可証が必要です。
不法投棄をするような業者はこれらの許可を取得していない可能性が高いため、悪徳業者に騙されないためには、遺品整理を依頼するときに必要な許可を取得していることの確認を忘れず行いましょう。
不法投棄は、自分は何も知らなかったでは済まされない重罪であることをきちんと把握しておきましょう。